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第24話:韓国結婚披露宴風景

L電子中央研究所の技術顧問をしていた時たまたま同僚の結婚披露宴に参加したことがあった。

その一ヶ月程前の勤務中に彼が私の所に来て今度結婚しますので披露宴に参加して下さいと招待状を届けにきたのだ。「いいよ、おめでとう!」と快諾したのだがしばらく忘れていて数日前に思いだし慌てたのだった。

日本から礼服を持参するのを忘れたのだ。日本人の感覚からすれば披露宴の服装は礼服着用と思いこんでいたのであわてて秘書役のC代理に尋ねるとスーツで充分ですとの事で一安心。祝い金は最低2万円くらいだなと踏んでいたのだが5千ウォンで充分とのこと。

さて休日の当日、招待状の地図を頼りにホテルからカンナム地区の地下鉄駅近くの会場に無事たどり着いた。入り口付近でたむろしながらタバコをふかす同僚達を見つけて一安心。何しろ初めての経験なのでどんな作法で披露宴に参加していいか判らず多少は心細かったのだ。

同僚の指示でまず受け付けで祝い金を納めろと言う。ここまでは日本と同じだなと思いつつ受付に行くと新郎新婦が出迎えている。やあやあおめでとうと挨拶を交わし、次はどこだと尋ねると、下の階の会食会場へと案内される。はあ、そこが披露宴会場かと納得して向かうとそこはなんとただの広い食堂の様な場所で、バイキング形式で色々なメニューを自由に取って食事が出来る場所である。もちろん酒類もそろっていて親類縁者とおぼしき人たちがあちらこちら集まり賑やかに食事をしている。新郎新婦は見あたらない。

丁度昼食時であったので私も同僚達とたらふく飲み食いし、ところで新郎新婦はどこに居るのかと尋ねると、それでは行って見ましょうと連れ出された。

そこはさながらホテルのレセプション会場の様な場所で新郎新婦と近親者と見られる方達が韓国式の正装で、雛壇の様な少し高くなった場所で次々と訪れる参列者と記念写真など撮っている。我々も折角だからと記念写真に収また。

次はどうすると同僚に尋ねるともういつでも帰っていいですと言う。式次第通りに進行する日本式の披露宴を想像していた私はなんと締まりのない披露宴なんだと感じたのだが、考え直してみると韓国式披露宴の方が何か合理的に思えてくるのだった。

新郎新婦及び近親者は予め決められた披露場所で次々に現れる祝い客の祝福を受ける。祝い客は別室に設けた飲食会場で三々五々気ままに飲食するし服装も特別にフォーマルでなくて良い。後で聞いた話だが別に招待されていなくとも祝福に駆けつけて何の問題も無いそうだ。

国全体がまだ貧しかった戦後の昭和時代には日本でもこうであったろうと彷彿させる様な、素朴な気取らない結婚披露宴の形が残っていた披露宴に参加して、なんとも心温まる気分の一日であったのである。


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ジャンル : 結婚・家庭生活

第23話:打たれた犬はしょげかえる

S電子日本研究所時代の話である。我々日本人研究員と親会社であるS電子韓国研究所との様々な研究開発契約のプロジェクト推進マネージャーである韓国人駐在員のk次長は筆者から見ても有能でありまた日本人の情緒から見ても好感の持てる人物であった。

彼は元々韓国本社のTV事業部の技術者で、日本駐在員の社内募集に応募し日本で勤務していた。そんな訳で我々日本研究員が作成した技術プレゼン資料等にも、専門分野は違うが一応理解し、その技術ストーリーに関しても逐一口を挟んで来るのが常だった。

そんなある日、我々は来年度に向けた比較的大きな研究開発プロジェクトの技術ストーリーを検討していた。技術ストーリーはいわゆるシックスシグマの科学的技術課題評価の手法に則って策定する。要するにこれから進める研究開発が投資対効果に見合うものかどうかについて検討し、その策定には集中して行っても3ヶ月間は雄にかかってしまう。策定された資料は上部組織である本社研究所でプレゼンし承認されれば来年度予算が降りるという非常に重要な資料である。

k次長はいつもの通り元技術屋の性分で色々プレゼン資料のたたき台に口を出し、ああでのないこうでもないと言い出したのであった。作成者の私は内容について事前に韓国研究所の当該責任者と打ち合わせしてあったので自信があったのだが、k次長も当日は機嫌が悪かったらしく、最後にはこんな内容では予算も降りっこないし、来年は失業ですねと言い出す始末であった。

一応彼は韓国側への窓口でもあるので、それまでは懇切丁寧に説明していた私もついにキレて「そんなに言うならお前はもう窓口を降りろ、後は直接私がやるからいいよ」とフロアー全員に聞こえる位の大声で怒鳴ってしまった。彼は一瞬困ったような顔をしたが「後は勝手に進めて下さい」と黙ってしまった。どうせ韓国側との折衝に行き詰まり途中で謝って来るだろうと高をくくったようだ。

こうした一件の後、仕方がないので私が直接韓国研究所と数ヶ月間連絡をとりつつ、何とか来年度予算が降りる状況にまでもっていくことができた。その間当然窓口であるk次長のところにも案件絡まりのメールが入るのだが、彼は口もきかずにただメールを転送してくるだけだった。

さて、最終的に本社研究所役員に対するプレゼン日程を決め出張準備中のある日、数ヶ月間無視され口も聞かなかったk次長が神妙な顔でデスクに訪ねて来ると「今度のプレゼンに私も是非参加させて下さい」と頭を下げた。自分抜きで巧くいくはずがないと思っていた彼は面子がつぶれるのを恐れ焦って折れてきたのだろう。「君は日本側窓口なのだから当然参加しなきゃだめだよ」と言う大人の対応に彼はほっとしたような表情でほほえんだ。

彼がいなくてもプレゼンはうまくいくのは判っていたが、彼の日本研究所内での面子をつぶすのは得策でないと思っていたので筆者も一安心したのであった。

その後プレゼンは成功裏に終わり、次年度予算も無事に降りる事となり我々は失業せずにすんだ。またその後筆者が策定した研究開発課題プレゼン案の内容について、k次長が口出しする事は一切なくなった事は言うまでもない。

話は変わるが、最近の韓国は官民マスコミ問わずまるでよく吠えるストーカー犬のように日本のあらゆる事象に口出ししてくる。竹島教科書問題や戦時売春婦(慰安婦)問題が良い例である。犬の遠吠えと考え無視すればいいのだが、内政干渉もいいところでうるさくて仕方がない。

吠える犬は犬であるから一度したたかに打ち据えて吠えてはいけない事を体をもって教える必要がある。よく切れる刀も一度抜いて見てこそ持っている価値があると近頃筆者は思うのである。

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RFD-Lab管理人

Author:RFD-Lab管理人
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通信機器の高周波回路・部品の研究開発に携わって来た技術屋のブログです。現在は個人経営の技術コンサルタントを営んでおります。
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最近「ドローン」の無線応用技術についてスタディーを始めました。自動配達の為の自律飛行を補助する衝突防止レーダ等、興味深い分野です。
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​「ドローン」墜落事故が散見される中、現在は「航空法」に依って規制され、ラジコンによる「目視飛行」が許可されている様ですが、安全飛行の為には無線通信の確保が大前提となります。
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またRFD-Labホームページに掲載した技術解説記事のPDF抜粋も併せて掲載しますのでご興味のある皆さんは参照して下さい。

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