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<東芝情報流出>元社員、違法性認識か

<東芝情報流出>元社員、違法性認識か 会社と秘密保持契約

毎日新聞 引用
浅野翔太郎、福島祥
3月15日(土)7時15分配信

東芝の研究データが韓国企業に流出したとされる事件で、逮捕された東芝の提携先の半導体メーカー「サンディスク」元社員の杉田吉隆容疑者(52)が東芝、サンディスクの両社と秘密保持契約を結んでいたことが捜査関係者への取材で分かった。調べに対し、転職先の韓国半導体大手「SKハイニックス」に渡す目的で大量の秘密情報をコピーして持ち出したことを認めており、警視庁捜査2課は杉田容疑者が違法性を認識しながら約1年間にわたり不正を続けていたとみて追及する。

杉田容疑者は、サンディスク社員だった2007年4月~08年5月、当時勤務していた三重県四日市市の東芝工場で「NAND型フラッシュメモリー」に関する研究データを持ち出し、08年7月ごろ、SK社に提供したとして13日、逮捕された。

捜査関係者や東芝によると、杉田容疑者は08年7月にサンディスクを退職する直前まで秘密情報にアクセスする権限があった。同工場では、情報にアクセスできる社員と秘密保持契約を結び、知り得た情報については退職後も外部に漏らすことを禁じているという。

捜査2課は、見返りにSK社から多額の報酬を受け取った可能性もあるとみて調べる。

<筆者所感>

記事を見る限り、完全な情報窃盗事件である。窃盗であるから盗んだ情報に金銭的な価値が無くてはならず、当然情報を売り渡したSKハイニックス社か中間にいるかも知れないエイジェントも共犯であると見るのが当然だろう。

7年前の事件が今頃なぜ出てきたのか、東芝とサンディスクのSKハイニックスへの損害賠償訴訟と何か関係があるのかとも思うが、この事件は氷山の一角に過ぎないだろう。

以前にも少し言及したが、筆者が韓国S社の日本研究所に勤務していた頃には日本研究所内にも韓国本社の要請を受けて日本国内企業の核心人材を密かに一本釣りする韓国人駐在員部隊があった。彼らは常に学会論文や特許情報を調査し、要求される技術の核心人材がどの企業・研究所の誰なのかを把握している。また日本国内の人材紹介会社や調査エイジェントを使い本人の接触先である住所・電話番号、さらには懐柔の為の家族情報まで調べ抜いている。

S社をはじめ大概の韓国企業の特徴は、事業的な成果を短期間で求められる為、今必要な技術は人材を育てて研究開発するより、金を使って外部からタイムリーに調達すれば良いという至極合理的な考え方である。

核心人材が手に入れば、特に直接日本企業の研究データを盗まなくても短時間で韓国研究所内でデータの再現は容易に出来る。なぜならノウハウ・手順等の必要事項はすべて彼の頭の中に入っているからである。また朝鮮海峡を渡った技術者の中には、転職時の待遇を有利に運ぶ為、今回の事件のように生データを持ち出し提供した例も少なくないだろう。

ただデータの盗用は犯罪でありもっての外だが、筆者には転職で海峡を渡った技術者達を責める心算はさらさらない。

日本の失われた20年間、長期デフレに伴う電気産業の長期不況でどれほど日本の電気・電子技術産業が衰退していった事か。その間各企業の不採算部門の分社化・統合・再編成とそれに伴うリストラ・希望退職等で大勢の電気・電子技術者が新しい職場を探さなくてはならなかった。ルネサスエレクトロニクスやサンヨー電機、最近ではシャープ等が良い例である。

そういう場面に直面した技術者達が、生活の場を求めて、日本人として、技術者としての矜持を捨てて海外企業に転職したとしても誰にも責められない。なぜなら技術者は自分自身の技術と引き換えに企業から報酬を得て生活しているのだから。

責められるべきは、失われた20年を克服出来なかった日本全体の国力低下ではないかと筆者は考えるし、どうしたら再び日本を盛り上げる事が出来るのかを国民全体で考えていかなければならない問題だろう。

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第36話:君の韓国語、小学生みたい!

筆者はS電子日本研究所を退職した後、韓国L電子の中央研究所の技術顧問を一年間勤めた。同じ韓国の電子企業の中でもS電子と微妙に雰囲気が異なり貴重な職場体験であったのだが、その後何かの御縁で、日本の某アンテナ部品メーカーの韓国駐在所の技術顧問を依頼され二年ほど韓国に駐在した。このアンテナ部品メーカーはS電子の携帯電話用の内蔵アンテナを量産納入する業者であった。

携帯電話用の内蔵アンテナの性能は、アンテナを内蔵する携帯電話構造自体と密接に関係し、また海外の仕向地毎に使用周波数と通信方式が異なるので発売機種毎に新しいアンテナの最適化設計が必要となる。

携帯の機構デザインモデルと仕向地対応を組合わせれば年間数百に及ぶアンテナの開発をタイムリーに新規開発する必要があり、S電子は水原事業所内にアンテナ開発ラボと言う組織を作り、そこに外注アンテナ業者からの出向開発部隊を常駐させていた。

P部長は出向開発部隊の営業担当と言える人物で40代半ばの韓国人である。彼は日本語も上手に話し日本人技術部隊との連絡業務や中国にある製造部隊との納期折衝などに活躍していた。

P部長も私もヘビースモーカーで、事務所階段の踊り場にある喫煙所でよく一緒になり、世間話をする間に親しく話をするようになった。

P部長が話す日本語はかなりの物で、日本側との電話連絡にしても意志疎通には問題ないレベルであった。しかし日本人の私から観ると敬語社会の韓国人にしてはかなりぶっきらぼうな話し方であり、聞こえてくる電話対応はこちらがヒヤヒヤする程の場面も度々あった。

しかし私も含め大多数の日本人がそうであるように、どうせ外国人が話す日本語であるから、多少言い回しがおかしくても、敬語がうまく使えなくても、韓国訛りの発音でも許容範囲であり問題ありだと思う事は無い。

しかし日本語の対外的な公式文書などは失礼があっては許されないので、何度も筆者が代筆や添削をしてやったものである。

ところが、韓国人のP部長にとっては私の話す韓国語は多少我慢ならないレベルだったらしい。

ある日いつものように喫煙場で雑談をしながらタバコを吸っていると突然P部長に、筆者さんの話す韓国語は小学生が話す韓国語みたいですね!と真面目に指摘されてしまったのだ。内心おまえの日本語もな!とムカっと来たのは言うまでも無いのだが争っても仕方ないので笑って誤魔化した。

筆者の意識としてはS社との技術的な話も、種々の交渉事もこの韓国語でやってきたし、プレゼン資料等の書類も全部韓国語で済ませて来た手前、内心チョット赤面し戸惑ったのは間違いない。後でS社の友人に、僕の韓国語は本当に通じているのか聞いてみると、全然問題ないよと言う返事であったので安心したのであった。

問題ないレベルが兎に角会話が成り立っているレベルなのか、あるいはネイティブから見て上手に聞こえるのかはいまだに判らないが、相手の欠点・間違いをズケズケと指摘し改善を要求する韓国人気質と、実質的に問題なければ許容する日本人気質の差を見せつけられた小さな出来事であった。

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通信機器の高周波回路・部品の研究開発に携わって来た技術屋のブログです。現在は個人経営の技術コンサルタントを営んでおります。
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最近「ドローン」の無線応用技術についてスタディーを始めました。自動配達の為の自律飛行を補助する衝突防止レーダ等、興味深い分野です。
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​「ドローン」墜落事故が散見される中、現在は「航空法」に依って規制され、ラジコンによる「目視飛行」が許可されている様ですが、安全飛行の為には無線通信の確保が大前提となります。
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またRFD-Labホームページに掲載した技術解説記事のPDF抜粋も併せて掲載しますのでご興味のある皆さんは参照して下さい。

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