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第2話 : 韓国語習得

研究所入社当時は韓国との技術打合せのやり取り等は全て前出のK次長を通して行う事とならざるを得なかった。K次長の仕事上の立場は研究所で遂行される研究課題に関する日本窓口で、研究課題、納期、予算、研究員人事等の全てを統括していた。また本人の生真面目な性格上全てに目を通して納得できるマネージャーを目指していた。従って私の様な日本人研究員が直接韓国本社担当者とメール等でやり取りするのを嫌っていた節がある。

本社から来るメール、要求仕様等は一度K次長の元に入り日本語に翻訳されて私に届けられる。逆に私のプレゼン資料、メールの返信は一度K次長に渡り韓国語に翻訳されて本国に送られるという事となっていた。英語が多少出来るので英文で直接相手にメールを送るのだがなかなか返事が来た事はない。
これでは今後の業務展開を考えるとらちが明かないと思い一念発起して韓国語を習得することにした。

まずは、メール、資料等の文書のやり取りが多いので自動翻訳機の活用である。これで文章の<てにおは>の不自然さを我慢すれば意味は通じるレベルになる。<てにおは>については幸い韓国人事務員の女性がいたので逐一添削してもらう。これを半年ほど続けたら添削無しでもほぼ完全な韓国語文章の読み書きが可能となりその後K次長の手を煩わせなくても韓国本社との文書、メールのやり取りが可能となり韓国本社との業務遂行に非常に役に立った。

次に会話なのだが、文章と違って即答しなければならない。幸い日本語と韓国語は文法的にほぼ同等の言語なので語彙(言葉)の数と発音さえ覚えれば、日本語で考えた通りにその日本語語彙を韓国語に逐一置き換えれば大概言いたい事は伝わることが判った。

通勤時間を利用しての基本単語帳記憶とWEB記事から抽出した漢字語の記憶を一年程続けた所、自身が伝えたい事柄はほぼ100%言えるようになり自身で作成した韓国語プレゼン資料を現地で韓国語でプレゼンできるまでに上達したのであった。たまには聞き手が大爆笑する事もあったがたぶん日本語で言ったら「そうで御座りまする~」的、大時代的な表現だったのかも知れない。

難関は聞き取りである。どれだけ自己表現が出来ても相手の言っている事が聞きとれなければ会話は成り立たない。これだけは慣れるしかないのだが、何しろ韓国のTVニュースを見てもアナウンサーの話すスピードは驚異的である。50%でも聞き取れれば文脈から会話は成り立つのだがこれについては現在もトレーニング中の現状だ。

ちなみに韓国TVニュースを観ていると必ず内容を伝えるテロップが流れるが、これは韓国聴衆でさえ聞き取れない為ではないかと疑ってしまう。

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通信機器の高周波回路・部品の研究開発に携わって来た技術屋のブログです。現在は個人経営の技術コンサルタントを営んでおります。
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最近「ドローン」の無線応用技術についてスタディーを始めました。自動配達の為の自律飛行を補助する衝突防止レーダ等、興味深い分野です。
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​「ドローン」墜落事故が散見される中、現在は「航空法」に依って規制され、ラジコンによる「目視飛行」が許可されている様ですが、安全飛行の為には無線通信の確保が大前提となります。
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またRFD-Labホームページに掲載した技術解説記事のPDF抜粋も併せて掲載しますのでご興味のある皆さんは参照して下さい。

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