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第5話:すぐやります

永年韓国系企業と仕事をしていると「判りました、すぐやります」が韓国企業とうまくつきあう秘訣だと判ったきた。
基本的に韓国は儒教思想が今でも色濃く残っており年長者、目上の物の命令には絶対服従である。また2年間の兵役が義務つけられており、ここでも上官の命令には服従せざるを得ないのである。喧嘩をする場合もまず相手の年齢を確かめ年長の場合は敬語を使って喧嘩を始めるという笑い話があるほどだ。

例えばS電子が顧客である場合、特別の注意が必要である。S電子は韓国電子機器産業界の頂点に君臨しており韓国内の電子部品業者などの取引業者は家来に等しい。

購買担当者や技術担当者が「ちょっとこの件で相談したいのだが」と電話すれば24時間どこにいても「判りました、すぐ伺います!」と駆けつけなければならない。通常は代理(係長)課長クラスの呼び出しでも担当者の他に役員クラスが同席する習わしの様だ。

仕様、納期、価格等の要求事項に対して内心ではどんなに無理だと判っていてもその場で決して「無理です、できません」と答えてはいけない。「判りました、ご要求の通りすぐやります」と答えなければならない。
相手もある程度無理な要求だと判っているので結果については余り追求される事は無いのである。つまり顧客に対しいかに忠実な家来であるか、やる気があるかを試している節があるある。

S電子内の開発プロジェクトにしても開発期間が客観的に観るからに無理だと判る物が多々ある。案の定、当初計画半年が一年~二年、当初計画一年が二年~三年と遅延するのが大半である。これに関しても開発責任者が責任を問われたと言う話は聞いた事がない。

日本の取引業者の場合注意が必要である。通常は顧客要求に対して、技術難易度、必要納期、営業的背景等のフィージビリティスタディーを実施してから回答するのが通例であるが、S電子の場合には通用しない。現地責任者の権限で即答できる体制を作るか、その場に関係者全員同席するかの配慮が必要となる。

とにかく殿様のご機嫌を損なわない様「判りました、ご希望通りすぐやります、すぐにやらせます」と忠義心を見せ回答する事が重要な様である。

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通信機器の高周波回路・部品の研究開発に携わって来た技術屋のブログです。現在は個人経営の技術コンサルタントを営んでおります。
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最近「ドローン」の無線応用技術についてスタディーを始めました。自動配達の為の自律飛行を補助する衝突防止レーダ等、興味深い分野です。
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​「ドローン」墜落事故が散見される中、現在は「航空法」に依って規制され、ラジコンによる「目視飛行」が許可されている様ですが、安全飛行の為には無線通信の確保が大前提となります。
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またRFD-Labホームページに掲載した技術解説記事のPDF抜粋も併せて掲載しますのでご興味のある皆さんは参照して下さい。

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