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第8話:紳士なL首席

S電子日本研究所は韓国本社研究所の傘下にあり主に本社研究所で遂行される研究課題を補完する形で運営されていた。当時本社研究所にはL首席研究員と言う人物がおり、彼の取り計らいで、私の研究室の研究課題の設定に大変お世話になった。彼は本社研究所で新しい通信システムの研究開発を推進するグループリーダーであり、20名近くの部下を抱えて頑張っていた。

さて、L首席はいわゆる紳士であった。物腰や話し方も柔らかく、身なりもいつも品の良い物を身につけ、しゃれたネクタイを締めている。韓国語にも「紳士」はあり「シンサ」と発音する。しかし私の見た彼の紳士ぶりは日本人的に見た紳士そのものであったのだ。そんな訳で彼は部下からの受けもよく信頼されていて私も好きな人物の一人であった。

仁川空港が開港した頃だったと記憶している。ある日私は部下を伴い大韓航空の成田・仁川便に搭乗予定であり出発ロビーで搭乗開始の案内を待っていた。突然誰かが私に声を掛けL首席が近づいて来るではないか。別件で日本企業を訪問して同じ便での帰りと言うことだ。「いやあ偶然ですね」と挨拶を交わして彼と別れた。

確か午後2時頃の便であったと思う。まもなく航空機点検に手間取り少し出発が遅れるとのアナウンスがあったが、我々は一時間程度の遅れは我慢しようとあきらめていた。

次のアナウンスで航空機部品の不具合が発見され羽田から取り寄せ修理後に出発すると言うことになり結局出発は午後9時半頃となってしまったが、我々の予定は明日からの技術打ち合わせなので、今日中に韓国入国できれば上々だと高をくくり読書三昧で時間を過ごした。

航空機修理や搭乗開始を待っている間、搭乗口付近に韓国人と思われる乗客たちが大勢集まり、口々に大声で航空会社職員に詰め寄っているのが見えた。我々は世界各地で韓国人搭乗者が飛行機遅延の度に集団で騒ぐということをニュースで知っていたので、「またか」と言う感じで気にもとめなかった。

飛行機は午後11時半頃無事仁川空港に到着した。この時間ならホテルまではタクシーしかないかと歩き始めたところ、例のL首席がニコニコしながら万ウォン札を握り締め走って来るなり「航空会社から3人分のタクシー代をせしめましたから一緒に行きましょう」と言うではないか。

「紳士」の彼がそんな行動をするなんてと多少動揺し、日本人ならよほどのクレーマーで無い限りそんな行動はしないなあと思いつつ車中の人となったのである。

L首席が取った突然のクレーマーぶりに驚きその夜は多少寝付きが悪かったが、結局L首席はやはり「紳士」ではあるが、本日の彼の行動は彼本人の人格の現れでは無く、韓国人すべてが持つ韓国標準なのだと自分を納得させて眠りに付いたのである。

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通信機器の高周波回路・部品の研究開発に携わって来た技術屋のブログです。現在は個人経営の技術コンサルタントを営んでおります。
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最近「ドローン」の無線応用技術についてスタディーを始めました。自動配達の為の自律飛行を補助する衝突防止レーダ等、興味深い分野です。
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​「ドローン」墜落事故が散見される中、現在は「航空法」に依って規制され、ラジコンによる「目視飛行」が許可されている様ですが、安全飛行の為には無線通信の確保が大前提となります。
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またRFD-Labホームページに掲載した技術解説記事のPDF抜粋も併せて掲載しますのでご興味のある皆さんは参照して下さい。

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