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第16話:味直して!

L電子中央研究所顧問時代の出来事である。L電子とはひと月2週間は韓国研究所勤務で残りは日本で自由時間と言う契であったが、研究所スタッフの日本研究開発機関とのミーティングに同行して案内する事もたびたびあった。ある時チームリーダーのH責任(次長クラス)を案内して大学研究室を訪問したことがあった。

中央線沿線の東京郊外にあるキャンパスで教授と所定のミーティングを済ませるまで案内した私は当日の羽田便で帰国する彼らと別れ帰宅するはずだった。折しも昼食時だったので駅前で何か食べてから分かれようと言う話になり食堂を物色していたところ丁度博多ラーメンの店があり、H責任が食べてみたいと言う。店の前に掲示されているメニューの写真をみてそれぞれの好みで注文した。

私としてはファミリーレストランの類が無難かな~と多少は不安はあったのだが。以前にソウルの有名なロッテホテル内に日本の有名なラーメン店がオープンしたが日本人観光客には評判が良いのだが現地人には味が受け入れられず閑古鳥が鳴いているそうだという話を聞いた事がある。スープのダシは牛肉が多い韓国人には魚介系スープは苦手なのかも知れないと思ったものだ。

さて、ともかく我々はラーメンをすすり始めたの。私には充分に旨い方に属するラーメンだったのだが、H責任は一向に箸が進んでいない。私と目が会うと「しょっぱすぎて食べられません、味を薄めてもらえませんか?」と言うのだった。

もちろん日本人でも一見の店でオーダーしたものが口に合わない事はあるのだが、職人である店の主に味を直せとはなかなか言えないものである。半分食べ残してお代を払って帰るのがせめてもの抗議だ。

仕方なく主人に「彼は外国人なのですみませんが」と事情を説明し、スープを足し薄めてもらうと彼は旨そうに完食した。

韓国には有名な「サムゲタン」や「ソルロンタン」がある。「サムゲタン」は有名だが「ソルロンタン」は骨付き牛肉を煮込んだ白濁スープで細いウドン状の麺が入っている。出される時には味はついて無く添えられた岩塩を適量入れ、他に刻みネギや唐辛子粉で各自の好みの味付けで楽しむ。たいがい添えてあるご飯も一緒に混ぜ食べるのである。「サムゲタン」も同様に塩味は自分で調節する。ちなみに筆者は朝鮮人参の味になじめないせいか、「ソルロンタン」の方が好みである。

考えてみると、日本にはこの様な自分で好みの味に味付けできる料理が無いような気がする。せいぜい町の食堂で、醤油とウスターソースの瓶が添えてあるくらいだ。まして出された料理に醤油をかけて好みに合わせようとしようものなら周囲から露骨に嫌な顔をされる。それは恐らく出される料理は料理人の職人としての「作品」でありその味を自分の好みに直すのは料理人に対し大変失礼な行為であると言う考え方に基づいているのだろう。

「サムゲタン」にしても「ソルロンタン」にしても自分の好みに味付けして食べてくださいというのは食べる側を尊重しての配慮なのか、はたまた今回のH責任の様な人が韓国標準で店の味を決められず仕方なくそうなったのか、未だに筆者は判らないのである。

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通信機器の高周波回路・部品の研究開発に携わって来た技術屋のブログです。現在は個人経営の技術コンサルタントを営んでおります。
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最近「ドローン」の無線応用技術についてスタディーを始めました。自動配達の為の自律飛行を補助する衝突防止レーダ等、興味深い分野です。
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​「ドローン」墜落事故が散見される中、現在は「航空法」に依って規制され、ラジコンによる「目視飛行」が許可されている様ですが、安全飛行の為には無線通信の確保が大前提となります。
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またRFD-Labホームページに掲載した技術解説記事のPDF抜粋も併せて掲載しますのでご興味のある皆さんは参照して下さい。

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