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第26話:家族会議

2000年初頭の頃はS電子日本研究所の人材もまだまだ不足していた時期で、盛んに色んな手だてで人材募集を行い有能人材を発掘していた。

そんな中で我が研究室にもデジタル信号処理に関する優秀人材の応募があった。出身大学、現在の勤務企業も有力であり、最終面接試験も特に問題なく済んで彼の入社時の待遇等の条件にも本人は満足していた。

ただ面接時に本人が最後に言った一言が気になっていた。「私本人は今回の転職のお話は大変満足しているのですが、転職の最終結論は一応家族と相談してから決めさせてください」と言う。私自身の考えからすれば、一応諸々の事を考えて最終面接まで望み、本人が意志を決めたのだから問題は無いだろうと高をくくっていた。本人もしっかりした自己主張が出来る人物に見えたので、よもや家族の意見に左右される事は無いと思っていたのだった。

一週間程経過して人事担当者から彼の最終回答を聞いて驚いた。結果的には家族の強い反対に会い今回は辞退したいというものだった。詳しく聞いて見ると、彼の奥さんの両親に当たる方々が韓国系企業への転職を頑と反対し、両親に説得された奥さんを説得出来なかった様である。

2000年代初頭と言えば現在程では無いにしろ一応S電子は韓国企業ではあるがグローバル企業として頭角を表して来ており、彼の奥さんの両親もどのような理由で頑と反対したのかは定かではない。よほど過去に韓国人もしくは在日韓国人にひどい目にあった経験でもあったのであろうか?

話は変わるが、現在の韓国内においては日本車の姿を良く見かける。翻って日本では韓国車の姿を見かける事は無い。世界的には成功を納めているている現代自動車も日本での販路拡充を長年目指していたそうであるが日本市場には受け入れられなかった様である。輸入車としてのフォルクスワーゲンやベンツ、BMW等のある程度の成功を考えると少し奇妙な感じがする。

ある経済学者の説によると、現在の日本では消費者の韓国製品に対する出費はせいぜい数万円止まりで、百万円以上の出費に関しては韓国製品は選ばずに国産か東南アジア以外の外国製品を選ぶそうである。つまり韓国製品への出費はLCDテレビかスマートフォン止まりで自動車の様な高価な消費には投資対品質又は投資対ブランド価値を考え躊躇するらしい。

つまり日本では大方の人たちが韓国製品及び韓国の品質及びブランド価値を認めていないと言う事では無いだろうか。

永年の反日教育のせいで何かと声高に日本を非難する韓国社会で日本の自動車が受け入れられ、とりわけ表面的に韓国を非難する事も無い日本において韓国自動車が受け入れられていないという現実は誠に象徴的であり示唆的で興味深い。

恐らく、冒頭の家族会議で頑強に転職に反対した義理のご両親も、韓国の品質及びブランド価値を考え、彼の一生の一大事である転職に反対したのだろうと思う今日この頃である。

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テーマ : 韓国について
ジャンル : 政治・経済

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通信機器の高周波回路・部品の研究開発に携わって来た技術屋のブログです。現在は個人経営の技術コンサルタントを営んでおります。
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最近「ドローン」の無線応用技術についてスタディーを始めました。自動配達の為の自律飛行を補助する衝突防止レーダ等、興味深い分野です。
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​「ドローン」墜落事故が散見される中、現在は「航空法」に依って規制され、ラジコンによる「目視飛行」が許可されている様ですが、安全飛行の為には無線通信の確保が大前提となります。
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またRFD-Labホームページに掲載した技術解説記事のPDF抜粋も併せて掲載しますのでご興味のある皆さんは参照して下さい。

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